ここ以外のたくさんの場所にも,僕の痕跡は残っている.時折それらを読み返してみると,僕は進歩しているのかしていないのか分からなくなる.もっともすべては無からはじまり無に還ると僕は考えているわけだし,人間は忘却するものだから,進歩なんてしなくてもいいのかもしれない.マイペース.それが僕の取り柄で,僕にとっての世界の真理で,それはかわいい.そう言ってみる.それからありえたかもしれない別の人生に思いを馳せる.それで,これでいいんだと思う.そう言った数時間後には気分が切り替わることは承知の上で,今は,これで.