2015-01-01から1年間の記事一覧

帰省して実家であまりにやることがないのに気付いて愕然とする.コントローラは壊れててゲームはできないし,もしできたとしてもたいして楽しくないとも思う.読むべき本もほとんどない.ピアノは弾きたいものの,下手なので家族に見られるのが嫌だ.それに…

友人が「一年前がついこのあいだのように感じる」と言っていて,僕は一年前というのは遠い昔のように感じていたから,意見が合わなかった.その時僕の念頭にあったのはベルクソンで,つまり,記憶の中の距離は,実際の時間上の距離とは違う,ということだっ…

とある会に入会したり,ささやかな詩が採用されたりするだけでも,うれしいものだ.それで生が救われるというわけでもないのに.ともあれ非-アカデミックな人文-知というのは,どこか秘密結社的な色合いを帯びている.フランスですら公には哲学として認めら…

カッシーラーは『人間』のはじめのほうで,内省の終焉を説いている.現象学とか言って頑張って内省しても分かることは知れてる,というわけだ.けれども僕は内省の力を信じたいサイドの人間だ.内省によって世界の構造を捉える.そんないにしえの哲学者の夢…

なんか最近1000年ぶりくらいに批評したい欲が高まってるんですが,肝心の論じたい対象がない.というポストモダン的状況に陥ってしまって,無を論じるという定版コースに進むわけにもいかず――そんなのは戦前に京都学派が嫌というほどやった――自分は何をやり…

ニッポンの経済政策は終わってるらしい.というか終わってる.けれども,経済政策が完璧な国なんて存在しないし,あれだけ完璧に成功しそうに見えたアベノミクスを支持していたクルーグマンも心変わりしてしまった.リドレーの『繁栄』とは何だったのか.あ…

研究室から帰ってきた後に何かを書こうとしても,書くことが無いことに気づく.それでもここ数日の悟りを得たような気分だけはやんわりと持続していて,何だってやれるような気分になっている. とりあえずゆるい自己分析をしてみる. 好きなもの:詩と思想…

ここ以外のたくさんの場所にも,僕の痕跡は残っている.時折それらを読み返してみると,僕は進歩しているのかしていないのか分からなくなる.もっともすべては無からはじまり無に還ると僕は考えているわけだし,人間は忘却するものだから,進歩なんてしなく…

原始偶然と絶対精神

この世にはなぜ悪が存在するのか,あるいは何故,世界がこのようなものとしてあるのか.その問いの答えが原始偶然である.原始偶然の概念はシェリングが創造し,九鬼周造が精緻化させた.ここでは,九鬼周造の原始偶然を扱う.原始偶然の考え方は,簡単に言…

本当に文章が書けなくなっている.音楽も絵画も料理もできないのに文章すら書けないのはつらいなあと思う.例えば今日,僕は次のように書いた. 哲学はドイツ観念論の時代に終わった,と言うと多くの反論が来るのは否定できないだろう.だが,西洋哲学はすべ…

積読をほとんど全て消費してしまって,読む本もなく,新しく本を買う気力もなく,やっと自由になったと思い,気付けば始まっていたKの続編をニコニコ動画で視聴し,紅葉狩りにでも行こうかと散歩に出て,永観堂を目指して南に向かった.白のモノクロームの空…

世の中のひとを見るたびに嫉妬がつのってく.それは僕が教養を形成するにあたって利用した回路でもあるのだけど,それにしても僕は嫉妬ばかりしていて,何かに乗り遅れるのをひどく恐れている.もうこれ以上君はどこかに行く必要はないんだ.そう自分に言い…

人は一人では生きられないという言葉が頻りにラジオから聞こえてきて、一人では生きられないという、その言葉だけがひとりでに広がって、生き延びていく。僕は誰かに依存して生きるなんてまっぴらごめんだし、一人じゃ生きていけないのなら、いっそ死んだ方…

何でも一人でやってしまう教会の牧師さんがいました。投資家だった先祖の遺産を受け継ぎ、お金だけはたくさんあったので、あまりまじめに布教せず、他に仕事もせず、狭い教会に閉じこもり、休みの日の月曜日には絵を書き、ピアノを演奏し、他の日も、暇さえ…

何も書けない時は自動書記をすればいいのではないかという安直な考えから,久々に自動書記を試してみる.さて,私の貧弱な想像力のストックにある一シーンをまずはお目にかけよう.中学か高校の屋上に,少年と少女の影がある.二人とも制服を着ていて,フェ…

生成

自分が変わり続けている,というのは生成を拒否したい側からしても,否定しえない事実で,ここに書いたすべてのことが,なんだか古めかしく,つまらないことのように思える.とはいえ僕の何が変わったというのか.ひとつは気分を制御するのが以前より難しく…

なつやすみ!

毎度のことながら,しばらくブログ更新をやめてしまうと,ブログを新しく作り直したくなる.けれどもそもそもこのブログはそういう欲望も想定した上で作ったのではなかったか.そう思い直すことで,なんとかいま,これを書こうという気を起こしている. さて…

ミーハーサブカル人文思想系と軽く会話するためのブックガイド的な何か

小さいころ,世の中のインテリというのはみな人文書を読むものだと思ってたのだけど,後になって,どうやらそうじゃないらしいとゆことに気がついた.僕は趣味で人文書を読んでるだけだけど,人文書を読まない人に自分ならどんな本を勧めるかと訊かれると,…

退化

なんだかここ二週間くらいですっかり知性が退化したような気がする.数年前なら文学と共に生きていこうと思って毎日何かは書いたり読んだりしてたわけだけど,そんな習慣も衰えて,ただ散歩したりごろごろしたりするのが趣味の何も考えてない人間になってし…

ざんこく

ちょっと前に話題になったアンチ・モラリアを斜め読みして,一般的な意味での哲学や理性に対する挑発的な態度にイラっとしたりしたものの,やっぱり得るものはあって,哲学というのはただ論理的に考えるだけじゃなくて,身体レベルの知識や直感を書き換える…

わくわく

アクションゲームの魅力をひとことで説明するならおそらくわくわく感とゆことになるのだろうけど,考えてみれば,このわくわく感は歴史上,不当に低く評価されてきたのではないか.いや歴史なんてほとんど知らないけど.とまれ,わくわく感がさいきんの僕に…

さびしさ

西脇順三郎を読んでからさびしさは自分の中でとても大切な気分のひとつになったのだけど,検索していると「心の寂しさ,プライスレス」というキャッチ―で,半ば冗談めかしたような表現を見つけて,ああここに現代の寂びの感覚が宿ってるのか,若いなあ,自分…

恋?

友人が彼女欲しいとか結婚したいみたいなことをわりと本気で言っていて,りあ充をわりと本気で嫉妬しているような態度を表明するたびに僕はとまどいを覚える.彼からすると,彼女なんて必要ないという悟りきった態度はありえないみたいな感じだけど,僕から…

転換

性転換の夢想の中で 巻き起こる風を拒否しながら いくつもの服が舞っていた キャミソール、パーカー、ワンピース それらすべての力が集まる場所で、空気のように漂ったまま 終焉を待っていると突然 ベビードールのシャワーが降ってきて 周縁の方へ、流れてい…

網膜

部屋の中を無数の影が舞っている.中学の頃,箒を振り回している生徒のおかげで偶然にして網膜に穴が開いた.レーザーで治療はしたものの,また剥がれてくる可能性はかなり高いらしい.あれからもう十年ほどたつけれど,今でも油断してるといつか片眼を失う…

スマホ,ゲーム(2)

相も変わらずスマホゲーをインストールしてはアンインストールするようなことを繰り返しているのだけど,よくできたソシャゲの吸引力というのは凄いもので,あらゆる自由時間にソシャゲをするという選択肢がそれなりの魅力を備えたものとして立ち現れる.僕…

中心

就職のことが頭の中の何パーセントかを支配するようになってから,自分の中の世界の中心の位置が揺らぎつつあったりする.というのは僕は高校の頃からずっと世界の中心というのはアカデミズムの世界だと思っていて,それはそれで正しかったのだけど,社会に…

散歩

授業が終わって研究室に戻ったら部屋には誰もいなくて,疲弊した気分が押し寄せてきたから外に出て,黄昏の中の雲と時計台や雨あがりの湿気た空気,風を横切り,Eden's Song (全く知らないエロゲーの曲だ)をリピート再生しながら歩いていると,このまま研究…

q済

メールの着信があって,スマートフォンがぶるぶる震えだした時に,僕を救ってくれるかもしれないような予感がして,それからそんなことを思ってしまった自分を恥じたりする.ずっと昔,なんとなく幸福だった頃は,自分よりも不幸なものが大勢いるだけで自殺…

散髪

ひさしぶりに(とはいえ本当のところ何か月ぶりなのだろう)散髪に行った.そろそろ髪が長くなってきた気がしていたのだけれど,椅子に座って,否応なく見せられる鏡を見ると,そこにはそんなに髪の長くない男の子が座っていて,やっぱり切らなくてよかった…