障害

 けっきょくのところ自分が発達障害だから発達障害っぽいひとが好きなんじゃないかという身も蓋もない話が真実っぽいことに気づいてしまって,頭を抱えている.というのは,自分の趣味とか嗜好というものは,もっと別のところ――幼い時に摂取したコンテンツとか,日本的な寂びの系譜――に根差してるんじゃないかとどこかで思っていたわけで,それゆえに,環境さえ整えれば,万人が僕と同じ趣味や嗜好を持つことも不可能じゃないと考えていたからだ.
 けれどもよくよく考えてみると,性格とか知能はある程度先天的に決定づけられているのも確かで,それゆえ,生まれつき好きになりやすいものと,好きになりにくいものが世の中にはあって,僕の場合,自分が発達障害だから,発達障害のひとが描かれたコンテンツが大好きになったに過ぎず,発達障害じゃない大多数の人たちの中には,生まれつき,僕が大好きなものがあまり好きになれないようにできている人もそこそこ,いるかもしれない.そう考えると自分が大好きなものがくだらなく思えてくると同時に,なんだかとてもさびしくなって,それから,やっぱり僕はさびしさが大好きだと思う.